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セックス中毒になると何が困る?問題点とセックス中毒になりやすい人の特徴

平松隆円

平松隆円R.Hiramatsu

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目次

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1:セックス中毒とは?

「セックス中毒」とは、あくまで口語的な言葉で、正確な病気の名称などではありません。正しくは「性依存」や「性依存症」という言葉が使われます。

(1)性依存とは

 

性依存とは、性交渉(セックス)やポルノ(エッチな動画や写真)への過度な執着、痴漢行為、強迫的な売買春、性的ないたずら電話などの行為に対して、性的な興奮や刺激を覚え、自分でコントロールできなくなる状態を指します。

必ずしも、行為としてのセックスだけではなく、性にまつわること全般が対象になります。そして、ものすごく興味があるとか、性欲が強いために性依存になるわけではなく、専門的にはひとつの疾患として考えられています。

たとえば、ひと口に依存といっても、いろいろな依存があります。有名なところではアルコール依存、薬物依存、タバコ依存、買い物依存、ギャンブル依存などがありますよね。また、最近注目されているのは、ネット依存やゲーム依存。他にも、恋愛依存もありますし、そして、性依存もあるのです。

アルコールや薬物などは、モノに対する依存なので「物質依存」ともよばれます。そして、ギャンブルや買い物などは、行動自体に必要以上に熱中し、のめりこんでしまうことから「行動依存」ともよばれています。性依存はこの「行動依存」に分類されています。

(2)依存は病気なの?

専門家の間では、何を依存とみなすのか、そして依存を病気とみなすのかということについて、議論が続けられています。例えば痴漢。痴漢も性依存に含まれるのですが、病気として痴漢を「してしまう」のか、あくまでも性的な嗜好として痴漢を「しているのか」は、なかなか判断が難しいところです。

例えば、「万引き」についても、「窃盗症」という病気なのか、単純にお金がなくて盗んだのか、盗むという行動にスリルがあって楽しいからやったのか。その理由を、素人目からは区別することは難しいでしょう。ですが、万引きをやめたくてもやめられず、ついついやってしまう病気も確かに存在します。

その意味で、セックスや痴漢などに性的な興奮や刺激を覚え、自分でコントロールできなくなる病気も、存在していることには間違いがないでしょう。

 

2:セックス中毒になりやすい人の特徴3つ

ここからは、セックス中毒つまり性依存になりやすい人の特徴を考えてみましょう。

(1)幼少期のトラウマが原因かも

性依存になりやすい人の特徴としてよく言われるのが、子どものころに性的虐待を受けたり、極端な育児放棄をされたりなどのトラウマを持っていること。ほかにも、事故や離婚などで、幼少期に両親もしくは片方を失うなどの経験があると、性依存になりやすいとも言われています。

(2)遺伝の可能性も

実は、アルコール依存やタバコ依存には、遺伝子が関係していると言われています。そのため、これらの依存は遺伝する傾向があるとされています。たしかに、お酒に強いか弱いかは、親子で似ることが多いですよね。ただ、性依存が遺伝によって決まっていくかどうかまでは、まだ解明されていません。

(3)性に対する関心が強い

もちろん、いちばんの特徴は性に対する関心が「異常」に強いことでしょう。ギャンブルやネットへの依存がそうであるように、最初は単なる興味本位だったのに、次第にのめり込んでしまい、自分でコントロールできなくなってしまうことがあります。

例えば、次の質問であなたはいくつあてはまるでしょうか。チェックしてみてください。

1.相手に許可を得ることなく、相手の体を触ってしまうことがある

2.ネットでエッチな動画や写真をついつい見てしまう

3.性的サービスについついいってしまう

4.一般的ではない性的な趣味がある

5.エッチな妄想をしてしまう

6.のぞきや盗撮に性的な満足を感じる

7.特定のパートナーがいるのに、不倫や浮気をしてしまう

8.学校や職場でもエッチやマスターベーションがしたいと思ってしまう

必ずというわけではありませんが、あてはまる項目の数が多ければ多いほど、性に対する関心が「異常」に強い可能性があります。

 

3:依存関係になりやすい?セックス中毒の問題点

セックス中毒、つまり性依存は「病気」なので、さまざまな問題を引き起こします。問題点を見ていきましょう。

(1)心身の健康を害する

いちばんの大きな問題は、自分の心や体の健康を害するということです。性に限らず、あらゆる依存は自分の心や体の健康を害します。

性依存でいえば、ついつい性的サービスに入ったり、自分に恋人がいても浮気や不倫をしてしまうので、それを隠すために嘘をつき、大切な人との関係を悪化させる危険があるでしょう。また、風俗やポルノにお金を使うということになれば、お金がなくても我慢ができず、隠れて借金をしたり、お金を工面するために手段を選ばなくなったりする可能性もあります。

(2)自分の意思でやめられない

いわゆる「依存症」はコントロール障害とも言われているように、依存の大きな問題は、自分の意思でやめられないということです。

それは、依存が単なる嗜好なのではなく、脳の機能障害にも似たものだからです。依存を治療することは可能ですが、自分ひとりで何とかなるということは基本的にないと考えていたほうがいいでしょう。

(3)周囲の人と共依存する

依存の治療には、周囲の人の助けが重要になってきます。ですが、これがある種の問題を生み出します。

例えば、アルコール依存の場合。アルコールに依存している人は、自分の力だけでは断酒できないので、家族の力を借りてアルコールを遠ざけることが多いです。ですが、他力本願的に家族に断酒を任せていると、家族がいないときに飲んでしまったりします。

また、家族は、アルコールに依存している人を助けたいという気持ちで、積極的に協力しますが、次第に断酒に協力することが自分の生き甲斐のように感じてしまうことがあります。つまり、アルコール依存を仲介にして、依存している人と助けようとしている人が、お互いに依存しあうという共依存が生まれます。

性依存も同じで、共依存を生むことはあります。相手が「愛されてるからだ」と思い込むことで、異常なセックスを要求されても拒否できなくなってしまうということが起こりえます。

 

4:まとめ

たくさんセックスをしているから、性に対する関心が強いから、セックス中毒、つまり性依存になるわけではありません。あくまでも、ひとつの病気としてとらえることが大事でしょう。もちろん、だからといって痴漢などの行動が正当化されるわけでは決してありません。

自分が性依存かも……と思ったなら、早めに対処するようにしたいですね。