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ストーカー被害にあったら?ストーカー被害にあったときの対策5選

大山奏

大山奏K.Ohyama

目次

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1:ストーカー被害にあったら?知っておきたいストーカー対策

別れた恋人や一方的に好意を持たれた相手から、無理やり交際を迫られたり、つきまとわれたり……。そんなストーカー被害が増えています。最近では芸能人が過激なファンからのストーカー被害を告白していることも多いですよね。

ストーカー被害は、誰もが遭う可能性があります。被害にあったときや困ったときに、誰に相談すれば良いのか、どう対策することができるのかについてを警視庁のホームページなどを参考に紹介していきます。

 

2:被害届を出すべき?条文に定められたストーカー被害の典型例8つ

ストーカー被害は、「ストーカー規制法」という法律によって定められています。ストーカー規制法では、つきまといなどを繰り返すストーカー行為に警告を与えたり、逮捕することができます。

では具体的には、どのような行為がストーカー行為となっているのでしょうか。

(1)つきまとい・待ち伏せ・押し掛け・うろつき等

ストーカーと聞いていちばん始めに思いつくのが、つきまといや待ち伏せなどではないでしょうか? 例えば、あなたが「会うつもりはない」と言っているのに、仕事から帰ったら、別れた彼氏が家の前で待っていた場合、それはれっきとしたストーカー行為となります。

また、あなたの会社や自宅付近をうろうろしたり、歩いているときに前に立ちふさがることも、ストーカー行為となります。

(2)監視していると告げる行為

監視していることを告げる行為とは、直接本人に「見ているぞ」と伝えるだけでなく、例えば、その日着ている服の特徴などをメールで伝えてきたり、あなたがよく見るSNSのページなどにあなたの行動を書くことも含まれます。

(3)面会や交際の要求

別れたあとに恋人が「もう一度付き合ってくれ」と迫ることも、ストーカー行為です。これは、お互いの感情の違いなどから、よくある話とされやすいですよね。

ですが、こちらが「会いたくない」と言っているのに、しつこく面会を要求をしてきたり、「付き合ってくれないなら死ぬ」というようなことを言うのは、普通の状態ではありません。

(4)乱暴な言動

実際に暴力を受けた場合はもちろんですが、言葉での暴力もストーカー行為とみなされます。あなたが無視したことに逆上して、「ふざけるな!」と大声で怒鳴ったり、「バカヤロー」などというメールを送ってくることも乱暴な言動にあたります。

(5)無言電話、連続したSNS等

無言電話をかけることや、連続して電話・メール・SNSのメッセージなどを送ることもストーカー行為のひとつです。

別れた彼氏から、昼夜問わず電話がかかってきて、眠れなくなってしまった……なんていう経験を持っている人もいるかもしれません。そんな場合も、すぐに警察に相談しましょう。

(6)迷惑な物の送付

相手があなたの家や会社を知っている場合、そこに嫌がらせとして、何かを送りつけてくる人もいます。それもストーカー行為です。

汚物や動物の死体、その他、嫌悪感を示すような物を送ってこられたら、送られた時間や内容をメモし、すぐに警察に被害届を出しましょう。

(7)名誉を傷つける

例えば、あなたと彼が付き合っていたときにふざけて撮ったプライベートな写真など、人に見られたくないような写真をインターネット上にばらまいたり、個人を特定できるような誹謗中傷をSNS上に書くなどが名誉を傷つける行為にあたります。

(8)性的羞恥心の侵害

メールなどで性的な写真を送ってきたり、手紙や電話などで卑猥な言葉を投げつけられるなどが性的羞恥心の侵害にあたります。

 

3:ストーカー被害者なら押さえておきたい!ストーカー規制法改正のポイント6つ

ストーカー行為については、近年インターネットの普及などで改正の必要性が叫ばれており、2016年にストーカー規制法の改正が行われました。この改正で、具体的には何が変わったのでしょうか。

(1)SNSやメールもつきまとい規制の対象に

これまで、「つきまとい」は実際に目の前に現れる場合だけが対象でしたが、家や会社の周囲をうろつくことも規制されるようになりました。

また、無言電話や連続した電話、さらにSNSのメッセージや、ブログのコメント欄への記載も含まれるようになりました。

(2)緊急時には警告を経ずに最初から禁止命令を出せる

改正前の法律では、つきまといなどが認められた場合に、警告をして、その警告に違反した場合に禁止命令を出せるというプロセスが必要でした。しかし改正で、警告を経ずに、すぐに禁止命令を出すことができるようになりました。

また、緊急の場合には、禁止命令等に必要な事前手続きを事後化することもできるようになりました。

(3)ストーカー行為等に係る情報提供の禁止

規制法改正では、ストーカー行為をする恐れがある人に対して、被害者の情報の提供が禁止されました。

第三者があなたの引っ越し先などの住所を加害者に教えることが法律で罰せられるようになったため、「うっかり教えてしまう」「脅迫されて教えてしまう」といったことへの抑止力も期待できるようになりました。

(4)ストーカー行為等の相手方に対する措置

改正後は、内閣府、警察庁、法務省、文部科学省、厚生労働省などの職務関係者が、被害者からの相談への対応についての研修・講義などを実施することや、避難のための施設への滞在支援なども盛り込まれました。

(5)ストーカー行為等の防止等に資するための措置

改正前には、被害者の身の安全を守ることばかりが中心でしたが、改正後は加害者を更生させるための方法についても、研究を推進していくことが決まりました。

また、国や地方公共団体がストーカーの実態把握や、教育活動等を民間団体と連携する協定が追加されました。

(6)ストーカー規制法違反に対する罰則の見直し

改正後は、ストーカー規則法違反に対する罰則も見直され、刑が重くなりました。

具体的には、ストーカー行為罪は6月以下の懲役50万円以下の罰金で、申告罪(告訴が必要)だったものが、1年以下の懲役100万円以下の罰金で、非親告罪(告訴は不要)となりました。

その他、禁止命令等の違反罪も重くなっています。

 

4:ストーカー被害の相談先は?ストーカー被害の対策5つ

では、自分がストーカー被害にあっているかもしれないと感じたら、どうすれば良いのでしょうか?

(1)警察に相談する

少しでも恐怖を感じるようなことがあれば、すぐに警察に相談しましょう。警察では電話相談窓口もありますし、女性の相談員が話を聞いてくれる場所もあります。

自分で危険か危険でないかの判断をせずに、相手から来たメールや困っていることなどを素直に話してみるのが良いでしょう。

(2)連絡先を変える

電話が頻繁にかかってきたり、メールがたくさん来たりするような場合には、きっぱりと「電話してこないでください」などと、毅然とした態度で拒否を伝えましょう。

それでも連絡が途絶えない場合には、連絡先を変えることも重要です。

(3)引っ越す

相手に自宅がバレている場合には、引っ越しをするのも対策のひとつです。引っ越しをした場合には、SNSなどでそれが相手に伝わってしまわないように、個人情報の管理には十分注意しましょう。

(4)防犯ブザーを持ち歩く

つきまとい行為などがあるのなら、防犯ブザーを持ち歩いたり、ひとりで歩くときにはいつでも110番通報ができるように、スマホを設定しておくこともできます。

(5)地域の相談窓口や女性の人権ホットラインを利用する

警察には何となく相談しづらいと感じた場合には、他の相談先を頼ってみましょう。例えば、婦人相談所や精神保健福祉センター、女性の人権ホットラインなどがあります。

また、国によって設立された法的トラブル解決のための総合案内所である「法テラス」などで、弁護士に相談するのもいいでしょう。とにかく誰かに被害について話すことが重要です。

 

5:身の毛もよだつストーカー被害体験3つ

最後に、実際にストーカー被害にあったことのある女性に、その被害体験を教えてもらいました。似たようなケースがあった場合、すぐにしかるべき場所に相談してくださいね。

(1)家の前で待ち伏せ

「当時付き合っていた男性と別れたいと思い、別れ話をしたんです。でも、まったく相手にしてくれなくて。“別れるなんてあり得ない”と取り合ってもらえませんでした。埒が明かないのでその場を立ち去り、“もう会いません”とメールを送りました。その後、彼からの電話やメールに一切返事をしなかったら、私の家の前で車を止めて待っていて、車に連れ込まれそうになりました。

身の危険を感じたので、信頼できる男友達に頼んで、警察に一緒に行ってもらいました。警察の人は、パトロールをして警戒してくれるって言ってくれましたけど、不安だったので、すぐ引っ越しました」(Yさん・28歳)

(2)実家に押し掛けて

「結婚も考えて同棲していた彼氏と別れることになったんです。当初は納得してくれていたようだったのですが、実際に私が家を出ていく段階になったら、いきなり泣いて引き留められて……。

新しい家の住所は教えずに、しばらく実家に帰ると嘘をついて別れたのですが、その1週間後、実家から“○○さんが家に来たけど大丈夫?”って。私の北海道の実家まで700㎞、徹夜で車を走らせて行ったらしいって知って……。本当に恐怖でした」(Kさん・34歳)

(3)マンションに彼の親がやってきた

「大学生のころの話ですが、別れた彼氏がしつこく私のマンションに会いに来てました。バイト先の飲食店にも毎日のようにごはんを食べに来るし。しばらくひとりでいるのが怖くて……。それでも無視を続けていたら、夜中の1時にインターフォンを鳴らされて。

彼かと思ったら、彼のお母さんだったんです。“○○くんがショックで勉強が手に付かないって言っているの。もう一度付き合ってあげてくれないかしら”って。こっちがショックでしたよ」(Eさん・26歳)

 

6:少しでも違和感をもったら警察などに相談を

恋愛がらみの問題は、「好きだから仕方がない」という言葉で片付けられてしまうことも多いです。ですが、もし少しでも怖いと思ったり、相手に止めてほしいと思うようなことをされたら、すぐに警察などに相談するようにしましょう。

放置することで状況が悪化する可能性もありますから!

 

【参考】

「ストーカー規制法」 – 警視庁