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離婚するには何が必要?うまく離婚するための手順と離婚理由

並木まき

並木まきM.Namiki

目次

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1:離婚するにはどんな手続きが必要?

離婚には事務的手続きがたくさんあります。

結婚するときと異なり、どうしても前向きになりにくい中での作業となるため、離婚の事務手続きにストレスを感じる人も少なくありません。

 

2:離婚届を出すだけじゃない?上手く離婚するための手順5つ

ただでさえメンタルの負担が大きいのが、離婚。

だからこそ、離婚すると決めたならば、ドロ沼化を避け、できるだけストレスなく離婚したいというのも心理です。

そこで、上手に離婚するために意識しておきたいことを5つご紹介します。

(1)離婚への強い意志を相手に示す

片方が離婚したいと思っても、片方は離婚したくないと考えている場合、離婚したい側が言いくるめられてしまって、結局離婚できない。あるいは、条件面での譲歩を強いられ、理不尽な離婚となってしまう。そういったケースは少なくありません。

相手に離婚への本気度を示すなら、離婚届に必要箇所を記入して差し出すくらいの気概が必要です。証人が署名押印を済ませたものであればなおさら、相手にあなたの強い離婚への意志を伝えられるでしょう。

とはいえ、相手がすんなりサインしたとしても、すぐに役所に提出すればいいというわけではありません。離婚してしまえば、条件面での話し合いができなくなる場合も。子供がいる場合には、親権や養育権なども明確する必要があります。

離婚届けの記入はあくまでも意思表示です。

また、離婚条件についてスムーズな話し合いができるように、自分が求めることを整理し、材料を用意しておきましょう。自分の希望に合わない、なし崩し的な離婚は必ず後悔するでしょう。

ただし、離婚の意志を示しただけでDVを引き起こす可能性などがある相手の場合には、この限りではありません。第三者を交えることも考慮にいれる必要がありますし、とにかく先に全力で逃げなければいけないケースもあります。

(2)当面の生活費を確保しておく

お金がないから離婚できない、離婚したら生活できなくなってしまうから離婚に踏み切れない……という人は多いです。しかし、離婚したいのにお金がないから離婚できないというのは不幸です。

また、離婚の話し合いの途中で相手から生活費の分担が打ち切られたりということも珍しくありません。

離婚協議中は、法律で婚姻費用と呼ばれる生活費分担が定められていますが、相手が生活費を渡してくれないという場合も多いです。裁判所に調停申し立てをし、支払い命令を出してもらうこともできますが、判決が出るまでは支払われませんし、裁判命令を受けてもさまざまな理由をつけて払わないという人もいます。

離婚後の生活費の見通しをつくのが理想的ですが、本気で離婚したければ、3か月程度生きていけるくらいの資金があれば、その間に仕事を見つけたりできますし、なんとかなったという人が多いです。

また、離婚した女性に対しての公的援助にどんなものがあるのかは、ネットでも調べることができます。

生活福祉資金貸付制度や総合支援資金公的支援、女性福祉資金貸付制度など、離婚にあたって利用できる融資制度もあります。相手から「お前なんて離婚して生きていけるわけないだろう」と言われたときに、知識がないと相手の言っていることを無条件で正しいと思ってしまいがち。最低限の知識はもつべきです。

(3)離婚の話し合いが難航した際の別居先を確保しておく

離婚の話し合いをしたいのに、相手が真面目に聞いてくれないなどで、離婚協議が難航したり、離婚の申し出に逆上した配偶者と一緒に暮らすのが困難を極めたり……。そういった事情によって、ひとつ屋根の下には暮らさないほうがいいケースも、離婚にはありがちです。

できるだけメンタルへの負担を軽減するためにも「もう一緒には暮らせない……」となったとき、身を寄せる場所は確保しておくのがベストです。一時的に実家に帰ったり、親しい友人の家に身を寄せたりができるかの見通しも立てましょう。

(4)相手の立場も尊重する

離婚の話し合いがはじまると、とかく自分の利益だけを考えてしまい、配偶者とは完全に敵対するような構図にもなりがち。

しかし協議離婚、つまり話し合いで早期解決を図るならば、相手の立場を尊重する心を忘れないことも大切です。

無理難題をふっかけてくる相手の言い分を飲む必要まではなくとも、「離婚には応じるけれど、実家に説明するだけの時間がほしい」「昇進がかかっているので、数か月だけ待ってほしい」など、相手から何らかの条件が出された場合には、相手の立場に立って折衷案を見出したほうが、意地を張るよりも早く決着がつく傾向もあります。

(5)条件は公的な書面に残す

離婚をする際にもっとも話し合いがこじれがちなのが、条件面です。

ここをなあなあにしてしまい、離婚届を出すことだけに夢中になってしまうと、いざ離婚が成立したあとに、行き違いや思い違いからトラブルになることも。

離婚の条件は、具体的かつ明確に定め、離婚協議書を作って、「強制執行認諾約款付き公正証書」にしましょう。

書面に残しておけば、離婚後に履行されず、訴訟となったときでも、その書面を証拠として提出することができます。

 

3:借金、モラハラ、性格の不一致?上手く離婚するための離婚理由5選

さて、相手やその家族などに非があると感じ、それを理由に離婚したい場合、相手に離婚を受け入れてもらえない場合も。

そこで、離婚したい明確な理由がある場合の離婚を進め方のポイントを紹介します。

(1)相手の借金により離婚したい場合

配偶者の借金を理由に離婚したい場合には、それらの借金の金額や頻度、あるいは借金により生活を圧迫している実態などを記録として保存しておくのがおすすめです。

これは、法律が定めるところの「婚姻生活を継続しがたい重大な事由」にあてはまるか否かは、程度問題も大きいためです。万が一、協議離婚が成立せず調停、裁判と進んだ場合に備え「相手の借金がどのくらい婚姻生活に悪影響を及ぼしているのか」を調停や裁判でも説明できるよう、準備しておきましょう。

(2)配偶者の親族との不和で離婚したい場合

配偶者の親族との不和がメンタルを打ちひしがれるほどになっている場合には、一刻も早く離婚したほうが心身の健康のためにも安心です。

夫は、妻と自分の両親がうまくやっていけていない場合、夫婦関係の健全性を保つために調整をすべきであり、どちらかというと妻の味方をするべきと考えられています。

なので、夫が見て見ぬふりをして放置するようであれば、離婚事由として認められる可能性が高くなります。親族にされたこととともに、夫がどういう対応をしていたかも、日記などに残しておきましょう。

(3)性格の不一致により離婚したい場合

離婚理由としてよく聞く「性格の不一致」で離婚する場合には、双方が合意すればスムーズに離婚ができる一方で、どちらかが離婚をしたくない場合には、難航するパターンが多いです。

多少の性格の不一致は、どんな夫婦にもあるものとして考えられているため、裁判所を通じて離婚する場合などでは、その不一致が本当に婚姻生活を継続しがたい重大な事由に当てはまるほどのものだと説明・証明する必要があります。

そして昨今は、裁判所を通じた離婚でも破綻主義がとられていて、片方が離婚したくないと主張しても、すでに夫婦関係が破綻していると客観的に認められれば離婚できるケースも多いです。

客観的な破綻の事実を証明できるよう、早期に別居に踏み切っておくのもひとつの方法です。

(4)相手の浮気により離婚したい場合

相手の浮気を理由に離婚したい場合には、とにかく証拠集めがスムーズな離婚への重要なカギを握ります。

浮気を疑った時点で相手を罵ってしまい、その後、警戒されて証拠がとれなかった……となるのが、もっとも残念な展開。

浮気を理由に離婚を考えたなら、まずは相手を泳がせ、できるかぎりの証拠を集めてから、離婚に向けての協議を始めるのが得策です。

(5)相手のDV(精神的・肉体的)により離婚したい場合

配偶者からのDVは、とにかく証拠をとっておくのがいちばんです。

外ではニコニコとし「やさしそうな旦那さまですね」と言われている人が、実は家庭内ではDVをしまくり……なんていう話も珍しくありません。

暴力をふるわれたならば、その傷などの写真や通院記録、精神的なDVであっても日記や音声記録を残しておくなど、DVをされている事実に関する証拠をできるだけ保管しておきましょう。

警察のほか、DV相談を受け付ける公的機関に相談すると文書で相談履歴が残りますし、精神科を受診すると診断書がでます。そういったものもDV被害による離婚調停で有効な証拠となります。

 

4:離婚したら子供はどうなる?離婚で子供に与える影響を減らす方法5つ

子供がいる場合、気になるのは離婚したことによる子供への影響です。そこで、子供への影響を極力減らすために考えておきたいことを5つご紹介します。

(1)婚姻時の苗字を名乗り続けるかどうか決める

離婚して妻が子供を引き取った場合にも、届出さえすれば、妻も子も婚姻時の苗字を公的に使い続けることが可能です。

子供の心身の影響などを考慮し、夫の苗字をそのまま母子で使い続けるという人も少なくありません。

(2)住む場所と通園、通学先をどうするか決める

離婚によって引っ越しが必要な場合でも、子供を転校・転園をさせるのは避けたい、と思うこともあるかもしれません。

未就学児の場合、引っ越し先を決める前に、引っ越し先から現園までの送り迎えができそうか、良い転園先があるかどうかは検討したほうがいいでしょう。

就学児童の場合で公立校であれば、越境通学ができるのか、どの範囲までなら越境通学が可能か、あらかじめ相談してみるのも方法です。それでも、越境通学は親も子も大変。ストレスなく同じ学校に通わせたいとなれば、学区内での引っ越しを考慮にいれる必要があるでしょう。

(3)面会の有無と頻度はどうするか決める

子供を引き取らない側の親と子の付き合いを離婚後にどうするかは、きちんと話し合う必要あります。月に何回、どこで、というのはもちろんですが、子供がその親と会いたがらない場合はどうするのか、お互いが再婚した場合にはどうするのか、などもしっかりと話し合っておきたい項目です。

ちなみに、戸籍と親権は別物。なので、たとえ子供の親権をもったとしても、自動的に戸籍まで一緒になるわけではありません。

夫の戸籍に入っていた子供は、離婚をするだけでは夫の戸籍に入ったままの状態です。

そのため、仮に母親が親権をとり今後夫側との接触はなるべく控えたいなどの事情がある場合には、子供の戸籍を母親の戸籍に移しておくほうが面倒が少ないという面も。

(4)養育費の合意をとる

子供の年齢により違いはありますが、扶養親族は、離婚した相手との子供であってもカウントできるため、夫から「離婚後も、子供は扶養家族に入れておきたい」という申し出がある可能性も。

妻のほうが「私の扶養家族に子供を入れたい」と考えているならば、離婚時にどちらが扶養家族としてカウントするのかの話し合いも重要です。

(5)離婚後も子供には相続権があると知っておく

夫婦が離婚したとしても、親子の縁まで切れるわけではありません。

ですので、基本的には将来的に相続が発生した場合には、親子間の相続では特段の不利益は生じません。

 

5:離婚するにはタイミングも大事?有利な離婚のタイミング3選

有利に離婚するには、タイミングの見極めも重要です。

そこで「私は、このタイミングで離婚して正解でした!」という経験者の声が多い離婚のタイミングを3つ紹介します。

(1)子供の進級、進学のタイミング

子供が進級・進学するタイミングでの離婚は、新たな学校に変わっても年度途中に比べて影響が少なく済むことも多いようです。子供の苗字を自分の旧姓にしたいから子供の進級、進学に合わせたという人も少なくありません。

(2)浮気相手にぞっこんのタイミング

相手の浮気を理由に離婚する際には、相手が浮気相手にぞっこんなタイミングで離婚を切り出すと、早期に決着しやすくなります。なぜなら、自分と手を切ってその相手と結婚したいという気持ちが強いからです。

また、配偶者への罪悪感により、慰謝料の額を話し合う際にも、高額な条件を飲んでくれやすい傾向もあるようです。

(3)子供を作る前

身も蓋もない話ですが、子なし離婚は、子供がいる夫婦よりも離婚が簡単で、タイミングとしてはベターといえます。それは、基本的に夫婦だけで決着がつくからです。

実際、離婚したかったけれど子供ができたので思いとどまったという人もいます。子が鎹となり、それで幸せになれればいいのですが、子供さえいなければ……となってしまえば家族全員が不幸になってしまいます。

また、子供の影響を考えて、子供が成人したあとに離婚したという人もいます。成人ともなれば、それぞれの親とも自分の判断で付き合えるという考え方からです。それもひとつのタイミングでしょう。

 

6:離婚は最終手段

既婚者であれば、誰しも一度は離婚したい……という感情が沸き上がるものです。

離婚は、言うまでもなく夫婦関係の最終手段。離婚の決断を下す前に「本当に離婚しかないのか」を熟慮しておくことが大切なのは間違いありません。

その結果として「離婚やむなし」となったなら、できるだけ揉めごとを避け、早期決着を図れるよう、賢く立ち回ってください。