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夫婦が別居…住民票はどうする?夫婦が別居するときのギモンに専門家が答えます!

並木まき

並木まきM.Namiki

目次

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1:夫婦が別居する場合のあれこれが気になる!

夫婦が別居する背景は、不仲による離婚の前段としての別居もありますが、単身赴任など仕事の都合、子供の学校の都合、あるいは修復を視野に入れた別居など、さまざまです。

円満であれ、苦渋の決断であれ、夫婦での別居を選択するときには、調べなければいけないことがたくさんありますよね。

 

2:住民票、住民税、子供…夫婦が別居するとどうなる?

別居をすると、同居していたときと生活事情も変わります。

(1)住民票の住所変更の届出が必要

例えば、夫とケンカして、実家に一時的に身を寄せているといった場合など、住民票はそのままにするケースが少なくないでしょう。

しかし、住所が変わった場合、住民票の住所変更の届出をするのは国民の義務であり、正統な理由がない場合には、罰金の対象にもなります。

他の市区町村に転入する場合には、転居してから14日以内に、以前住んでいた場所に転出届を提出し、受け取った転出証明書を添えて、転居先の市区町村に転入届を提出します。また同一の市区町村の場合にも、転居届の提出が必要です。

(2)夫婦の総所得が変われば住民税が増額される

住民税は、世帯に課せられる一律の均等割と所得に応じた所得割があります。夫婦が別居していても世帯はひとつとされるので、夫婦の総所得が同居のときと変わらなければ住民税はかわりませんが、もともと専業主婦で、別居することによって働くことになると、夫の配偶者控除も変われば夫婦の総所得も変わり、住民税は確実に増額されます。

また、別居により夫婦が別々の自治体に住民票を置く場合には、それぞれがその年の1月1日に住民登録をしている自治体を基準として、税金を納めます。住民税の額は、それぞれの所得によって決まります。

(3)行政が関係するお金に関する話は別途手続きが必要になる

国民健康保険に加入していて、他の自治体に別居する場合には、手続きが必要です。

また児童手当は、児童手当法にもとづいて計算された所得の高いほうに支給されます。別居前に夫が受給している場合、協議離婚中でない限り、妻が子連れで別居してもそれは同様です。より詳しい内容が知りたいときや個別のケースの場合は、児童手当の担当部署で教えてもらいましょう。

(4)住民票を移さないと子供の学校問題が難航する

住民票を移動させない転校は、子供の安全面の問題になると考えられています。そのため、夫が住民票を置いている場所に妻と子供の住民票を置いたまま、妻と子供が別の場所に転居する場合、公立学校への転校手続きが難航してしまうことも。

子供の学区のために夫婦が別居する場合などで、妻は住民票を移さないとしても、子供だけ転居届を出す必要があるでしょう。しかし、DVなどの理由がある場合には、下のような行政措置もあります。

(5)夫に居場所を知られたくない場合は住民票を移動するとバレる可能性がある

夫のDVやモラハラなどから逃げるための別居をする場合、住民票を移したことで夫に居場所を知られてしまうリスクがあります。

夫の立場であれば、妻の住民票の写しを原則としては請求できてしまうため、住民票を移動し、行き先を夫に知られたくない場合には、「住民基本台帳事務における支援措置申出書」を提出し、「DV等支援措置」の手続きをおこなうのを忘れないようにしましょう。

 

3:別居したら円満に…夫婦の別居のメリットエピソード3選

「別居」と聞くと、別れの前段のように思いがちですが、別居によって幸せになったというケースもあります。

そんな体験をもつ3名の女性に、体験談を聞きました。

(1)夫の単身赴任を機に気持ちが再燃

「もはやマンネリを通り越して、離婚も視野に入れていた矢先、夫の単身赴任が決まりました。

当初は、“どうせ離婚するだろうし、別居できてせいせいした!”と嬉しかったのですが、子供のいない私たち夫婦が別居となると、単に独身生活が戻ってきたような状況に。

そうなると、ひとりでいることで寂しさが募り、夫の単身赴任が早く終わらないかな〜と待ちわびるようになっていました(笑)。

その結果、単身赴任から帰ってきたら、ラブラブな関係を取り戻せました」(34歳女性)

(2)浮気性だった夫が改心するきっかけに

「結婚してからというもの、3年間で8回も浮気バレしていたうちの夫。

子供もいなかったし、“もう限界”と感じた私は、夫に言わずに家を借り、別居に踏み切りました。

すると、私がまさか家を出るとは思っていなかった夫の態度が急変し、毎晩“帰ってきてくれ!”と懇願してくる事態に。

あまりにしつこいので、“次はもうない”と確認して、渋々家に戻りました。それからというもの、夫が浮気することもなくなり、円満な夫婦関係を取り戻せました。

あのとき、家出してよかったです」(35歳女性)

(3)過干渉の姑との別居を勝ち取りました

「結婚2年目から、姑と同居が始まりました。姑は生活のあらゆることに干渉してくるタイプで、私はノイローゼになりました。

夫に相談しても“お袋の好きにさせてあげてよ”と、まったく取り合ってくれず、もはや私が家を出るしか解決策はないように思えたので、意を決して別居を実行。

すると夫が、これまで無関心を装っていたくせに、姑との同居解消を前向きに考え始めてくれ、結果として半年で姑と別々に暮らせるようにしてくれました。

私が家を出ることがなければ、いつまでも姑の過干渉が続いていたと思うので、あのとき勇気を出してよかったです」(39歳女性)

 

4:夫婦の別居にはメリットもデメリットもある

やむをえない事情により、別居を選択する夫婦も珍しくはありません。

しかし、別居の目的次第では、同居を続けているよりも事態が好転する可能性もありますし、一概に「別居=離婚の前段階」とは言い切れない実態もあります。

とはいえ、やはりそのまま離別……ということも多いので、行動を起こすには十分に考え、また手続き等の準備をどうするかをしっかり考えてからにしましょう。