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専業主婦が離婚されたらどうするの?専業主婦の離婚後の生活エピソード6つ

並木まき

並木まきM.Namiki

目次

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1:専業主婦だと離婚はできないの?

専業主婦をしていると「いろんな事情から、現実的に考えれば考えるほど離婚は無理かも……」なんて思ってしまう女性も少なくありません。

では実際のところは、どうなんだと思いますか……?

(1)専業主婦だから離婚できないと思っている人は30%

そこで「専業主婦だと、離婚できないと思いますか?」と、ランダムに抽出した10名に質問をぶつけてみたところ「できない」と回答した人は3人。

この3人の内訳は実際に専業主婦をしている女性が1人、ほか2名は兼業主婦です。

また「できると思う」が7名で、その内訳は専業主婦が2名、働いている主婦が3名、あとは夫の立場にある男性で2名でした。

今回のリサーチでは「専業主婦だと離婚できない」と思っている人は、30%ということになります。

(2)40代専業主婦が離婚したら…仕事はある?

現実的なお話として、40代の専業主婦が離婚するとなると「キャリアに空白がある」という事情から、「探しても仕事はあるの……?」が最も大きい不安要素になりがちです。

働く意欲があっても、実際に満足ができる仕事に就けるかと言えば、それはまた別のお話というわけです。

(3)専業主婦だと子供の親権がとれない?

さらに子供がいる場合、専業主婦のままだと自己資産などがない限り、夫側に親権をもっていかれてしまうリスクもあります。

このような事情から「専業主婦だから離婚できない……」と我慢しなくちゃいけなくなる実情もあり、だからこそ「離婚する!」と決めたのであれば、後悔する結末にならないよう、しっかりと準備しなければならない実態があるんですよね。

このあたりの背景が「専業主婦だと、離婚できない」と言われやすい理由でもあります。

 

2:専業主婦で離婚したら貧困に…という人も!その後の生活エピソード5つ

そこで、離婚当時に専業主婦だった女性から、離婚後の生活にまつわるエピソードをお伺いしました。

(1)「急いで仕事を探しましたが、現実は厳しい」(48歳/専門職・子供なし)

「私には結婚前に取得していた国家資格(行政書士)があるので、生活はなんとかなると思って離婚しました。離婚原因は夫のモラハラと浮気で、離婚当時の私の年齢は46歳です。

しかし現実はそこまで甘くなく、それまでのキャリアがないので顧客がいるわけでもなく、いまは20代の新人と同等の給与をもらい、同業者の事務所で働いている状況です。

現実はかなり厳しいと感じています」

(2)「慰謝料と財産分与で、とりあえずなんとかなりましたが…」(39歳/保険外交員・子供なし)

「夫の浮気が理由で、38歳で離婚。当時の私は、専業主婦でした。

相場より多めの500万円の慰謝料をもらい、そのほかに財産分与が1,000万円ありました。

額としては十分ですが、貯蓄を崩す感覚で生活しているので、先々を思うとちょっと焦りがあります。

十分な収入が得られる仕事を探していますが、なかなかうまくいきません」

(3)「がむしゃらに働き、なんとかなっています」(49歳/専門職・子供2人)

「私は39歳で離婚したとき、専業主婦でした。離婚に踏み切ったのは、夫の暴力と姑からの嫌がらせが原因です。

離婚当時、子供たちがまだ中学生だったので、正直に言えば金銭的な不安はありましたが、独身時代に取得していた国家資格(二級建築士)を活かし、独立。

最初の2年は営業活動に追われる日々でしたが、その頃からなんとか人並みには稼げるようになりました。ひとことでいえば、とにかく“がむしゃらに頑張った”って感じです。

今では私が再婚もしたので、おおむね満足しています」

(4)「正直、貧困生活です」(38歳/アルバイト・子供1人)

「専業主婦として生活していましたが、夫がよそに好きな人を作り、36歳のときに離婚されてしまいました。

元夫の稼ぎが悪かったので、子供の親権は私で、慰謝料と財産分与を併せて200万円もらっただけ。

なんとかなるかと思って働き始めましたが、キャリアも資格もない私を雇ってくれる会社がなかなかないのと、子供に寂しい思いをさせたくない思いからフルタイムで働くのは諦め、いまはラーメン屋でアルバイトをしています。

毎月の収入は20万円にも満たないので、正直、貧困です」

(5)「結婚当時の生活より、ぶっちゃけレベルが下がりました」(47歳/派遣・子供1人)

「元夫の稼ぎはそこまでよくなかったけれど、それでも今の私の生活に比べれば、生活水準が高かったと痛感しています。

離婚に至った理由は、夫がいきなり家出したこと。おそらく、他に好きな女性ができたんじゃないかと思っています。

私は離婚後、ずっと派遣で働いていますが、東京で暮らすとなると家賃も高く、子供にかかるお金もあるので、正直、まったく足りません。

フルタイムで働きたいけれど、子供のことを思うと、なかなか難しい面もあって……。

田舎に帰ろうか、地味に迷っています」

(5)「私が不倫して再婚しましたので、生活は問題ないです」(40歳/専業主婦・子供なし)

「元夫と離婚した原因は、私の浮気です。というか、浮気相手に本気になってしまい、今の夫と再婚したくて別れてもらいました。当時もいまも専業主婦をしています。

私から元夫に慰謝料を200万円支払い、なんとか別れてもらい、今の夫と再婚しました。

元夫より再婚相手の夫のほうが収入がいいので、生活水準は上がりました。

なので、金銭的には、なんの問題もありません」

 

3:専業主婦が離婚するために必要なことと心得5つ

さて、ここからは8年間市議会議員を務めた筆者が、実際の離婚相談事例から、よく出てくるテーマに絞って、専業主婦が離婚するために必要なことと心得を5つご紹介します。

現実を知っておくことは、離婚を考えたときには欠かせない心がけです。

(1)独身時代からの貯金は切り崩さない

離婚の際に慰謝料や財産分与があるとしても、お金はあればあるだけ心強いものです。

数年間は働かなくとも最低限の生活ができるくらいの額があれば、離婚後に貧困生活を強いられる可能性は低くなります。

慰謝料や財産分与をアテにしていたとしても、現実には思っているほどもらえなかったケースも少なくないため、自分の貯蓄をもっておくことが現実論としてはかなり大事。

独身時代に貯めていたお金は、「特有財産」として財産分与の対象とせずに離婚できるので、今ある貯蓄は切り崩さないほうが無難です。

(2)生活保護をアテにしない

「離婚して、お金がなければ生活保護をもらえばいいや」「生活保護でなんとか生活できるんでしょ?」などと軽く考えている人もゼロではありません。

しかし実際のところ、生活保護をアテにして離婚すると、痛い目をみる人も決して少なくない実態があります。

「思っていたほどもらえない」「もらえると思っていたけれど、生活保護の対象になるほどは困窮していないと行政に判断された」などのケースも。

公的な制度を頼っても、それはあくまでも「サポートしてくれる」というレベル。思い通りの生活が送れるわけではありません。

生活保護をもらわずに自立できる道を模索しておくのが、離婚するためには不可欠です。

(3)年金分割もアテにしない

結婚していた期間に応じて年金が受け取れる「年金分割」の制度が存在しているものの、過剰に期待するのは危険。

まず夫が国民年金の加入者だと、そもそも分割対象となる分がないので、アテにしていても、離婚した妻がもらえる分はありません。

また、分割できたとしても、もらえるのは“結婚していた期間”の分だけで、さらには最大でも1/2となるため、たくさんの額をもらえると思ったら大間違い。

婚姻していた期間にもよるものの、20代や30代の離婚だと、実際に手続きを終えてみると「微々たるものだった……」というケースもザラです。

離婚後の生活費として、過剰にアテにはしないほうが確実です。

(4)母子家庭の手当などもできる限りアテにしない

子供がいて離婚する場合「母子家庭には手厚い手当が出るから、子供を育てるのは楽勝」などとタカをくくっていて、後から痛い目を見る人もいます。

確かに、母子家庭には収入に応じてもらえるお金や本来払うべきお金が免除される制度なども存在してはいますが、これだけで十分な生活が送れるかといえば、それはまた別のお話。

離婚後に満足な生活を送るためには、公的な制度をアテにするよりも自力で生活できるだけの力をつけておくことのほうが、何倍も大事です。

(5)現実は甘くないことを改めて心得ておく

いかなる場合においても、“離婚したあとの生活”は結婚していた頃とは激変する人が多いです。

専業主婦であれ共働きであれ「夫が稼いでいた分がなくなる」「夫という存在がいなくなるので、すべてをひとりで賄わなくてはならない」という現実が待っています。このあたりは、改めてしっかりと覚悟しておくべき現実と言えるでしょう。

「現実は甘くない」を認識した上で離婚するのと、何も考えずに離婚するのとでは、離婚後の生活における心構えも変わってきます。

ですから、金銭的なことだけでなく、あらゆる面において今よりも厳しい現実に直面する可能性を覚悟した上で、離婚に踏み切ったほうが確実です。

 

4:専業主婦でも離婚はできる!けれど…

結論としては、専業主婦でも当然ながら離婚はできます。

しかし現実論として、離婚したあとの生活プランがなければ、貧困に陥ったり想定外の苦難にぶち当たったりするのも「あるある」です。

ですので「専業主婦だけど、離婚したい!」と考え始めたのであれば、離婚と同時に生活が立ち行かなくなることのないよう、入念な準備と正しい知識を備えておくことが重要です。