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徹底調査!日本人の結婚・出産の平均年齢と生涯未婚率の地域差

中田綾美

中田綾美A.Nakata

目次

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1:なんとなく理解している「晩婚」「高齢出産」

“晩婚”、“高齢出産”と言いますが、何歳から“晩”、“高齢”と認定されるのでしょうか?

日本産科婦人科学会によれば、「高齢出産とは、35歳以上で初めて赤ちゃんを産むこと」と定義されています。かつては30歳以上だったのが、晩婚化の流れで1993年ごろに引き上げられたとのことです。

他方で“晩婚”については明確な定義がなされていません。そこで、次章では日本人の平均初婚年齢を見ていきましょう。

2:日本人の初婚の平均年齢は?

(1)男性の平均年齢

厚労省の『人口動態統計』(平成28年)によれば、男性の平均初婚年齢は31.1歳で、前年から変わらずとのことです。

(2)女性の平均年齢

同統計によれば、女性の平均初婚年齢は29.4歳で、こちらも前年から変わらずとのこと。

確かに、25歳くらいまではのんびり構えていた女性が、30歳目前で急に焦りだす!……という現象はよく見られるような気がしますよね。

(3)平均値と中央値に違いはあるの?

男性の平均が30歳過ぎで、女性の平均が30歳手前。……この数字を見て、「なーんだ。30歳くらいならまだ独身でもフツーなのね」と胸をなでおろした人もいるかもしれません。が、ちょっと待った!

日本では現在、結婚できる年齢は女性が16歳以上、男性は18歳以上と下限が定められています。他方で、何歳以上は結婚しちゃダメという上限はありません。

ということはですよ? 初婚者の中には、年齢の高い人も含まれていて、その人たちが平均を引き上げている可能性もあるのです。

実際に、2016年の統計では、80歳以上で初婚という方が男性で12名、女性で15名いらっしゃいます。もちろん、60代、70代で初婚のかたもわんさか!

“平均値”では実態を必ずしも反映しているとはいえないので、“中央値”で見てみましょう。中央値というのは、ざっくり説明するとこの場合“年齢分布のど真ん中の数字”です。

2016年の初婚者の総人数は、男女それぞれ約40万人。その人たちを年齢の若い順にザーッと並べて、ちょうど真ん中、20万番目くらいにいる人の年齢。それが初婚年齢の中央値になります。

厚労省の『人口動態調査』のデータをもとに若い年齢から並べて計算してみたところ、男性では28~29歳、女性では27~28歳で20万番に到達。

やはり、平均値よりも中央値のほうが、やや若いという結果になりました。

3:東京などの都市圏と地方を比べると

「でもでも、私のまわりには20代で結婚している人なんていないよ!」という声も聞こえてきそう……。たしかに、お住まいの地域によって、初婚年齢は上下するようです。

では、厚労省の同データをもとに、都道府県でのランキングを見てみましょう。

(1)男女別 結婚が早い、遅い都道府県ランキング

<結婚が早い男性>

第1位:宮崎県・・・29.9歳

第2位:山口県・・・30.1歳

第3位:佐賀県・・・30.2歳

同3位:長崎県・・・30.2歳

第5位:愛媛県・・・30.3歳

同5位:鹿児島県・・・30.3歳

同5位:沖縄県・・・30.3歳

男性で唯一、ギリギリ20代にとどまっている宮崎県が第1位。そして、佐賀県、長崎県、鹿児島県、沖縄県と九州勢が目立つほか、山口県も本州の西端で九州とは目と鼻の先。それから四国の愛媛県と、なぜか南に位置する県がベスト5を独占する結果となりました。

<結婚が遅い男性>

第1位:東京都・・・32.3歳

第2位:神奈川県・・・31.9歳

第3位:山梨県・・・31.5歳

同3位:埼玉県・・・31.5歳

第5位:千葉県・・・31.4歳

男性で結婚がもっとも遅いのは東京都で32.3歳。ちなみに、23区に限ると、32.5歳とさらにアップ! その他、首都圏が上位5つを独占しています。

<結婚が早い女性>

第1位:山口県・・・28.6歳

第2位:福島県・・・28.7歳

同2位:島根県・・・28.7歳

同2位:宮崎県・・28.7歳

第5位:岩手県・・・28.8歳

同5位:岐阜県・・・28.8歳

同5位:三重県・・・28.8歳

同5位:岡山県・・・28.8歳

同5位:佐賀県・・・28.8歳

同5位:熊本県・・・28.8歳

女性の“結婚が早い”ランキングはかなり混戦。男性2位の山口県が1位を獲得しており、同県が早婚の傾向にあることが伺えます。

また、福島県、岩手県、岐阜県と東日本の県もランクインしてきます。

<結婚が遅い女性>

第1位:東京都・・・30.5歳

第2位:神奈川県・・・30.0歳

第3位:埼玉県・・・29.6歳

同3位:山梨県・・・29.6歳

同3位:千葉県・・・29.6歳

同3位:京都府・・・29.6歳

第7位:長野県・・・29.5歳

同7位:大阪府・・・29.5歳

同7位:奈良県・・・29.5歳

男性と同じく女性でも“結婚が遅い”ランキングにて、東京都と神奈川県がワンツーフィニッシュ。そのほか、首都圏および関西に集中している印象です。

やはり都市部のほうが地方よりも、男女ともに初婚年齢は高くなる傾向があるようですね。

 (2)男女別生涯未婚率が高い(低い)都道府県ランキング

「結婚が遅くてもいいじゃない。とりあえずいつかはゴールインできれば……」とお考えのかたも多いはず。

というわけで、国立社会保障・人口問題研究所の『人口統計資料集 2017年版』データをもとに、生涯未婚率(50歳までに1度も結婚したことがない人の割合)が高い、低いランキングを見ていきましょう。

<未婚率が高い男性>

第1位:沖縄県・・・26.20%

第2位:岩手県・・・26.16%

第3位:東京都・・・26.06%

第4位:新潟県・・・25.15%

第5位:秋田県・・・25.10%

<未婚率が低い男性>

第1位:奈良県・・・18.24%

第2位:滋賀県・・・18.25%

第3位:福井県・・・19.19%

第4位:岐阜県・・・20.12%

第5位:三重県・・・20.41%

<未婚率が高い女性>

第1位:東京都・・・19.20%

第2位:北海道・・・17.22%

第3位:大阪府・・・16.50%

第4位:高知県・・・16.48%

第5位:沖縄県・・・16.36%

<未婚率が低い女性>

第1位:福井県・・・8.66%

第2位:滋賀県・・・9.21%

第3位:岐阜県・・・10.00%

第4位:山形県・・・10.08%

第5位:三重県・・・10.26%

なんと東京都の女性は5人に1人が50歳まで未婚! 未婚率がもっとも低い福井県と比較して10ポイント以上のひらきがあります。

4:相手との相性を見極められるか不安という声も

最も結婚が遅い東京都の初婚年齢の平均値が30.5歳とはいえ、働いている女性であれば、仕事も面白くなってくる30代になると、時間も手間もかけて相性の合う相手を見極めるのは難しいもの。

「結婚相談所」が婚活に励む男女に改めて注目されている背景には、そんな事情もあるようです。条件や希望などから自分の結婚相手候補を厳選してもらえるのは、忙しい人や出会いが少ない人にとってはかなりのメリットのようです。

5:「結婚が早いと離婚率が高い」は本当?

若気の至り……といいますか、結婚するのが早すぎると、判断力が未熟なせいで破局しやすいようなイメージがありますよね。実際のところどうなのでしょうか?

少し古いデータになりますが、厚労省が離婚率を年代ごとにまとめたものがあります。それによれば、離婚率の高い年代は男女それぞれ以下のとおり。

<男性>

第1位:20歳~24歳

第2位:19歳以下

第3位:25歳~29歳

平成21年度「離婚に関する統計の概況」(厚生労働省)より

<女性>

第1位:19歳以下

第2位:20歳~24歳

第3位:25歳~29歳

平成21年度「離婚に関する統計の概況」(厚生労働省)より

やはり、“結婚が早いと離婚率が高い”説は本当だった! とくに、女性の19歳以下は、離婚率がなんと7%オーバーとかなりハイリスクです。

末永く添い遂げるには、結婚をあまり急ぎすぎず、相手をじっくり見極めたり、自分自身の内面を成長させたりすることも必要かもしれませんね。

6:日本人の出産の平均年齢は?

(1)高齢化といわれるけど、どれだけ上がった?

晩婚化が進めば、その分、高齢出産も増えるもの。女性芸能人が40歳を過ぎてから妊娠・出産したというニュースも珍しくありません。

実際のところ、日本人の平均出産年齢はどれくらい上がっているのでしょうか?

厚労省の『人口動態統計』(平成28年)によれば、第1子出生時の母の平均年齢は30.7歳とのこと。

ちなみに、その約10年前の平成7年(1995年)には平均29.1歳。その10年前の昭和60年(1985年)には26.7歳と、およそ20年の間に4歳も平均年齢が上がっています。

(2)都市部と地方の出産平均年齢に違いは?

結婚の時期に関しては、都市部が遅く、地方のほうが早い傾向が見られました。ということは、出産の年齢も都市部は地方よりも高くなるのでしょうか?

厚労省の『人口動態調査』をもとに、第1子を出産したときの女性の平均年齢の都道府県ランキングを見てみましょう。

<出産平均年齢が早い>

第1位:宮崎県・・・29.3歳

第2位:福島県・・・29.4歳

第3位:山口県・・・29.5歳

第4位:沖縄県・・・29.6歳

第5位:長崎県・・・29.7歳

同5位:大分県・・・29.7歳

同5位:佐賀県・・・29.7歳

<出産平均年齢が遅い>

第1位:東京都・・・32.3歳

第2位:神奈川県・・・31.5歳

第3位:京都府・・・31.1歳

第4位:埼玉県・・・30.9歳

同4位:千葉県・・・30.9歳

第6位:兵庫県・・・30.7歳

やはり、早婚の地方での出産年齢が早く、他方で首都圏や関西の都市部では出産年齢が遅いという傾向が見られますね。

7:早婚・晩婚それぞれのメリット5つ

ここまで結婚の早い、遅いについてデータを見てきましたが、早婚・晩婚どちらがいいのか、というと一概には決められません。それぞれのメリットを見ていきましょう。

早婚のメリット5つ

1.若いうちに妊娠・出産できる

妊娠・出産は結婚していなくても生物的には可能。とはいえ、日本ではまだまだ“結婚してから妊娠”という順序が重んじられていますよね。

年齢が高くなると、妊娠・出産にかかわるさまざまなリスクは高まるといわれているので、若く体力もあるうちに妊娠・出産できるというのは、早婚のメリットの1つといえるでしょう。

2.子どもをたくさん持てる

妊娠・出産にはタイムリミットがあります。35歳以上で結婚すると、1人産めるかどうか……というおそれもありますが、早く結婚すればするほど、子どもをたくさん持てる可能性が高まるでしょう。

3.体力があるうちに子育てができる

とくに、お子さんが小さいうちは、子育てが体力勝負といっても過言ではありません。徹夜や寝不足などの無理がきく若いうちに子育てができるのも早婚のメリット。

また、早く結婚して早く子どもを産めば、まだまだ若くて元気な祖父母らのサポートも期待できるという点もメリットだと考えられます。

4.魅力的な男性と結婚しやすい

「いい男はみんな既婚者!」という独身女性の嘆きがよく聞かれますが、魅力的な男性ほど早く結婚していく傾向にあります。もちろん、高スペックなのにずっと独身……という男性もいますが。

そういう意味で、早いうちに「えいやっ!」と決めてしまったほうが、好条件の男性と結婚しやすいといえるかもしれません。

5.結婚生活に順応しやすい

独身生活が長いと、自分なりに生活スタイルが確立してしまって、他者と共同生活を送るのが難しくなることもあります。

他方、若いうちの結婚は、未熟さゆえの危うさもありますが、見方によってはまだ柔軟性があるとも言えますね。“ふたりの生活”を作り上げていくには適しているかもしれません。

それに、少々の困難があっても、若さがあればなんとか乗り越えていける!?

晩婚のメリット5つ

1.じっくり相手を見極められる

厚労省のデータでも実証されているように、結婚を早まると離婚率も高くなる傾向はあるようです。

“若気の至り”とならぬよう、じっくり相手を見極めるためには晩婚のほうが適しているといえるでしょう。

2.経済的に余裕がある

愛があればお金なんて……と言いたいところですが、やはり結婚生活にお金の心配はつきもの。

年を経てキャリアを積み、貯金や年収が上がった状態のほうが、経済的に余裕のある結婚生活を送ることができて安心感があるといえそうです。

3.精神的に成熟している

結婚が早いと離婚率が高いのは、結婚前に相手を見誤るという以外に、若いほうが忍耐力に欠けることも原因だといえるでしょう。

この点、酸いも甘いもかみわけた者同士の晩婚では、結婚生活をめぐるさまざまな困難も大人の対応で乗り越えることができそうです。

4.育児で“年の甲”を発揮できる

晩婚で子どもを出産する時期も遅れると、たしかに体力的にはきついものがあるでしょう。

他方で、晩婚の女性のほうが、さまざまな人生経験を積み重ねているという点では、しっかりとした子育てができるとも考えられます。

5.先輩のアドバイスを受けやすい

晩婚の場合、同年代の友人の多くがもう何年も前に結婚しているのも強みです。結婚生活で何か困ったことがあれば、“結婚の先輩”にいつでもアドバイスを求めることができます。

8:まとめ

晩婚化が進んでいるとはいえ、「人より遅いとまずいのでは?」と自分の結婚年齢が気になっている女性も多いことでしょう。

しかし、何歳で結婚するのか地域によっても差異がありますし、早婚・晩婚にはそれぞれメリット、デメリットがあります。

もちろん、女性には妊娠・出産のタイムリミットがありますので、のんびりしすぎるのも考えものですが、いつ結婚するかよりも、本当に好きな人と結婚することのほうが大切ではないでしょうか。

これから結婚を考えている女性は、ぜひ参考にしてみてくださいね。


【参考】

平成28年人口動態統計 – 厚生労働省

人口統計資料集(2017) – 国立社会保障・人口問題研究所

平成21年度「離婚に関する統計の概況」 – 厚生労働省

人口動態調査 – 厚生労働省