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最低の仕打ちだけど…なぜかキュンとする「男のイジワル行為」2選

月島もんもん

月島もんもんM.Tsukishima

1:「ナミは来るな」

「みんなで海に行くって話になったとき、仲良しだった男友達に“ナミは来なくていいよ!”とひどいこと言われたんです。男3女3の6人で行く予定で、最初は冗談で言っているのかと思ったんですけど、本気でした……。

“マジで今回は遠慮して。車も5人乗りだから、ひとり乗れないしさ”とLINEしてきたのです。“わかった”と一言しか返せなかったけど、“完全に仲間はずれにされてる。なんで!?”と、悔しかったし、泣きました。本気で涙が出ました。

プライドがあったので、女友達に直接相談できなかったんだけど。でも、こういうとき、普通は、“ならみんなで電車で行こう。じゃないと私たちも行かない!”と言ってくれるはずですよね? それもないのかと。女友達にも腹がたちました、友達じゃないと思いました。

結局、本当に5人で海に行ったみたいです。許せないですよね。もう、この人たちとはいいや……そう思っていたのですが、数日後、その男友達からLINEがはいり、“この間は悪かった。ちょっと飲もう”と。

私はもう会いたくなかったけど、文句を言ってやらないと気が済まなかったので、その1回だけ最後のつもりで会いに行くことにしました。

当日、海で日焼けしたムカつく風貌で彼が登場。“なんの用ですか? 私のこと気に入らないなら、もう構わないでください”と伝えると、“いや、そのぉ。まぁ、飲もうよ”。LINEと違って弱々しい。

私は結構お酒は飲めるので、ムカつきからグイッと最初のビールを飲み、ハイボールを注文すると、そのまま“今日はコイツに奢らせて飲みまくって帰ろう”と、泥酔モードに突入し、クダを巻きはじめました。

勢いにおされたのか、なんなのか。私の機嫌をとろうとする彼。そうはいかない。もう許せない。私は爆発しました。

“ひとりハブにして、連れて行かないとかひどくない!? なんなわけ? それでなに? 今日なんで呼び出したの? 意味わからない! まだなんか文句あるの?”

“いや、そのぉ。なんだ。俺……、ナミのことが好きなんだ”

“は!?”

“本気なんだ。最初に見たときから好きだった。一目惚れってやつ。だから、ナミの水着姿を他の男に見せたくなかったんだよ! ごめん!”

し、信じられない……。だからといって、こんなヒドイ仕打ちをするか!? ムカついてムカついてしょうがなかった。

“それに、その白い肌、日に焼いてほしくねぇし”

“なにいってんの!? 好きな人にそんなことする? ふつう! 全然うれしくないし、はっきりいって、もう二度と顔見たくないと思ったんだよ。そして、その話を聞いて、その気持ちは決心に変わったよ。もう二度と、私に連絡しないで!”

酔っていた私は、そのまま立ち上がって店を出ようとしたんだけど、腕をグイッと掴まれたから、お水をぶっかけて逃げちゃいました。

その後ですか? 今、付き合っているのが、そのときの彼ですよ。もう3年目です。“キュンとしたエピソード”に書かれるのはちょっと嫌ですけど。だって本当にムカついたし、今でもそのことは許してないですから」ナミ(仮名)/28歳

 

2:フラれるために…!?

「3Bの男とは付き合うな、と言うじゃないですか。バンドマン、美容師、バーテンダー。私はバーテンダーの彼と付き合っていたんです。とても優しかったから。女の扱いが上手いとかじゃなくて、本当に私のことを愛してくれていた。

私はそう信じていたし、実際そうだった。後で痛いほどわかったのです……。

バーテンは彼にとって天職でした。3Bとは言われるものの、私は彼にずっとその夢を追い続けてほしかった。でも彼が、“今の職業じゃ、君の両親に挨拶できない”とこだわって。転職活動をしていたようですが、これまでバーテン以外の職務経験はなく、うまくいかなかったようです。

彼はイライラし、私に冷たく当たってくるようになりました。ちょっとのことで怒るし、“オマエみたいな世間知らずのお嬢様、悲しみを知らないから、人の心の痛みがわからないんだ!”なんてひどいことも言われました。

人が変わってしまったように、イジワルな彼。もう会うのも辛い気持ちになっていました。彼はもう、私の愛した彼じゃないのかも……そういう気持ちになるのが嫌で。

でも、そうやってイジワルしてくるのは、彼が転職できずにイライラしていたのではなく、別の理由があったのです。

当時、じつは私は別の男性、総合商社の男性にアプローチされていました。彼はバーテンという仕事柄、どこかでその話をこっそり聞きつけていたみたいで。

転職がうまくいかない彼は、“自分と一緒になるより、その男と一緒になったほうがいい”と勝手に考えたようなのです。私の幸せのために……。

そんな彼の気持ちも知らないで、“転職がうまくいかないで八つ当たりしてくる小さい男。やっぱり新しい彼のほうがいいかも”と打算的に考えてしまった私。今思い出すと、本当に最低ですが、ある日、我慢ならず、“もういい。じゃあ、別れましょ”と言ってしまいました。

優しい彼が見せてくれた一番の優しさ

彼の本音を知ったのは、新しい彼氏がいつも仕事で遅く、気分的に参っていたある日訪れた別のバーで。彼の知人のバーテンダーから、“これは絶対に内緒だけどな”と教えてもらいました。

酔っていた私は、その話を聞くとすぐに、彼が働くバーにかけつけました。なんと言ったらいいかわからない。ただ、謝りたい。そこにはいつも通り笑顔で働く彼の姿がありましたが、私を見るなり、厨房に引っ込み、別の若い男性をよこし、“ここには来るな。二度と会いたくない”と……。

その日はそのまま帰ったのですが、どうしても彼に会いたくて、その後、何日かあけ、彼の店に通ってしまいました。野暮ですよね、私。最低です。彼の言うとおり、“世間知らずのお嬢様”で、人の痛みがわからなかったのかも。私が顔を出すたび、彼は避けるように厨房にこもりました。

そしてある日、店に行くと、いつもと違う雰囲気。そして、彼が店を辞めて出て行ったことを伝えられたのです。

どうして嘘でも、人づてでも、“ありがとう。今、新しい彼氏と幸せに暮らしています。今度結婚します”と伝えられなかったんだろう。今になって、すごく後悔しています。

とても優しかった彼ですが、思い出すのは、彼がイジワルく私を罵ったシーンと、険しい顔で厨房へ逃げるシーンだけ。でも、なぜか思い出すと心強い気持ちにもなれるんです。きっとそれが、優しい彼が私に見せてくれたなかでも、一番の優しさだったからでしょう」リサ(仮名)/34歳

 

なぜかキュンとしてしまった、「男のイジワル」エピソードを2選ご紹介しました。「ひどい男!」と思う行為の裏に隠されていた、男子ならではの密かな想い……。みなさんは、この不器用さに付き合ってあげられますか?