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不倫じゃなくても…奥さんに訴えられたら負けるかもしれない行動

星 花

星 花H.Hoshi

不倫じゃなくても…奥さんに訴えられたら負けるかもしれない行動少し前に、『乃木坂46』の人気メンバー・松村沙友理の不倫疑惑が話題になりましたね。後に「実際は不倫ではなくお酒を飲んでハメをはずしただけだった」というようなコメントが報道されました。

こういったケースの場合、もし仮に本当は不倫関係でなかったとしても、妻側から訴えられたら負けてしまう可能性はあるのでしょうか? 今回は、アディーレ法律事務所所属の弁護士・島田さくらさんに、お話を伺ってみました。

 

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■不倫の関係じゃなくても奥さんに訴えられたら負ける可能性ってあるの?

「既婚者と親密な関係になり、奥さんの権利を侵害した場合には慰謝料請求が認められます。では、性的関係がなくても奥さんに訴えられた場合、負ける可能性はあるのでしょうか。

多くの裁判例では、奥さんの権利を貞操権(私以外の人と性的関係を持たないで!という権利)と考え、性的関係がない場合には慰謝料請求を認めないという考え方をしているようです。

しかし、平成26年3月、大阪地裁が性的関係を否定しながら慰謝料請求を認めるという判断を下しました。奥さんの権利を、より広く、夫婦生活の円満そのものであると考えると、あまりに親密な関係であれば、性的関係がなくても慰謝料請求が認められるということになりますよね」

妻目線で“被害が出ている”ことが認められてしまえば、慰謝料を請求されてしまう可能性は出てくるようですね。では、具体的には、どのような行動がイエローカードになってくるのでしょうか?

 

■2人で食事をするのはNGですか?

「仕事の話をするために異性と食事に行く場合はもちろん、異性の友人と食事に行くこともあるでしょう。既婚者と2人で食事に行っただけで即慰謝料!ということはありません。いくら回数を重ねても、友だち関係の異性と2人で食事に行っただけでは、夫婦生活の円満を害するということにはならないでしょう」

なるほど。確かに、異性と食事をするだけで壊れる夫婦関係だとしたら、不和の原因はもっと他の所にもありそうですね。

 

■ 手をつなぐのはどうでしょうか?

「人によっては“手を繋ぐだけで浮気だ!”と思う人もいるかもしれません。しかし、誰かに傷つけられたらなんでもかんでも慰謝料請求ができるというわけではありません。

単に手を繋いでいたというだけで慰謝料請求が認められるということはないと思いますが、他にも交際をうかがわせるような事情があって、ラブホテル街でベタベタしながら手をつないでいたというような状況であれば話は変わってくるかもしれませんね」

状況によるということですね。例えば飲み会のワルノリの範囲内だったりした場合は、慰謝料までとられる事態になることは考えにくいですね。

 

■ハグやキスになってくると……

「日本人の感覚からすると、カップル以外の男女が日常生活でハグやキスをするというのは一般的ではないですよね。しかし、ハグやキスが裁判所で認められた場合に慰謝料が認められるかというと、具体的な事情によります。

その場のノリで1回きりというのであれば、慰謝料は認められにくいでしょうし、夜な夜なデートを重ねた上でハグやディープキスの現場を押さえられてしまったというのであれば、慰謝料が認められる可能性もあるでしょう」

確かに、その上でハグやキスをしている写真まで抑えられたら、言い訳は難しいかもしれません。

 

いかがでしたか?

「実際の判例では、数万円もするプレゼントを贈った、抱き合っていた、キスをした、二人きりで旅行をした、相手の家に泊まった、花火大会に行った等、様々な事実を認定して慰謝料請求を認めるという判断をしています。

たとえ性的関係がなくても、相手の円満な夫婦生活を壊してしまうような親密な関係があれば、慰謝料請求が認められることもあると思います」

とのことです。既成事実があるか無いかよりも、どれだけ“妻以外の女性”に、時間とお金とエネルギーを使って、家庭をないがしろにしたか。の方が、重要なポイントになってくるようですね。

 

【取材協力】

島田さくら・・・弁護士法人アディーレ法律事務所所属弁護士(東京弁護士会所属)。自身の過去の男運のなさからくる経験(元カレからのDVや、妊娠が発覚した翌日にカレから別れを告げられたこと)をもとに悩める女性の強い味方として男女トラブル、さらには労働問題などを得意分野として多く扱う。シングルマザー弁護士として、相談者の悩みを解決するかたわら、家庭では子育てに奮闘している。

 

【参考】

マンガでわかる「愛と慰謝料の掟(ルール)~請求したい妻編~」